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○セシル
"求め続ければ手に入ると思っていた"
"だがいまだに道は見えない"
"どうすればクリスタルは手に入る?"
"こうしている間にも世界は──"
○ゴルベーザ
思い悩んでいるようだな セシルよ
○セシル
兄さん
○ゴルベーザ
思考に囚われ歩みを止めてしまうか
そんなことではクリスタルへの道は開かれぬ
永遠に夢幻のまま終わる
○セシル
夢だから迷ってしまうんだ
○ゴルベーザ
おまえたちはクリスタルをなんだと思っているのだ?
○セシル
え──?
○ゴルベーザ
クリスタルの輝き それは目に映るものではない
ただ求めるだけでは一筋の光明すら見い出せぬ
○セシル
それはどういう──
○フリオニール
セシルどこだ? 何をしてる?
○ゴルベーザ
クリスタルの秘密──知りたくば我が影を追うがよい
○フリオニール
大丈夫か?
あいつ──カオス側についているゴルベーザだろ?
○セシル
僕の──兄さんでもある
○フリオニール
兄弟だとしても今は敵だ 何か言われたのか?
○セシル
クリスタルの秘密を知っていると
知りたければ追いかけてこいって
○フリオニール
セシル 言いにくいことなんだが
気を許せば闇にのまれる 敵の罠かもしれない
○セシル
そんな──
○ティーダ
二人とも何やってるんッスか?
○フリオニール
行こう ティーダが待ちくたびれている
さっきの誘いは忘れた方がいい
仲間が危険な目にあうのは見たくない
○セシル
僕は──
○フリオニール
まだ先は長い 気を引き締めていくぞセシル
○セシル
僕なら大丈夫だよ さぁ行こう
○フリオニール
家族を思う気持ちはわかるが……今は戦いに集中した方がいい
○皇帝
いい見世物だったぞゴルベーザ どうだ 計画どおり奴を導けそうか?
○ゴルベーザ
心配はいらない……実の弟だ 信じ込ませるなどたやすい
○皇帝
フッ……貴様の働き……期待しているぞ
○フリオニール
さぁ南の小島を目指そう 混沌の大陸に進めばクリスタルにも近づけるはずだ
○ティーダ
賛成ー! こっちからガンガン攻め込んで先手取ってやるッスよ!
○セシル
勢いがあるのはいいことだけど気をつけて いつ何に襲われるかわからないからね
(僕たちはクリスタルに近づいているのだろうか ……兄さんは旧火山の方へ向かったけど──)
○フリオニール
ひずみが多いと道のりが遠く感じるな 他のみんなは無事だろうか
○セシル
クラウドが離れてからしばらく経ったね 彼は自分の答えを見つけられたのかな
○フリオニール
あいつなら大丈夫 きっと見つけてるさ 俺たちも負けていられないぞセシル!
○ティーダ
そういえばさ ゴルベーザは何しにセシルのところへ来たッスか?
○セシル
僕に話があったみたいだ……クリスタルの秘密を何か知っているらしい
○ティーダ
ふーん じゃセシルは何か聞けたッスか? どこにあるとかどうやって手に入れるとか──
○セシル
詳しく聞けていればよかったね でもそれを聞く前に行ってしまったから──
○フリオニール
あーすべてはフリオニールのせいッスね あいつタイミング悪いからなぁ~
○セシル
クリスタルの秘密……か
○ティーダ
よしっ このひずみもサクサク── ……あれセシル?
○セシル
──あ ごめん 考えごとをしてて それじゃサクサクと先に進もうか
○ティーダ
さっきからずっと考えごとッスか? ……首かしげちゃってさ
○ティーダ
な~にしてるッスか?
○セシル
兄さんの残した言葉を考えていたんだ
○ティーダ
さっき言ってた『クリスタルの秘密』っての?
○セシル
ああ──
僕に何を伝えたかったんだろうって
○ティーダ
だったら会ってくればいいッス
○セシル
え……?
○ティーダ
ホントはセシル後悔してんだろ?
○セシル
うん 危険をおかしてまで来てくれた兄さんの気持ちを無駄にしたようで
○ティーダ
かっこつけんなって ただ会いたい それで十分ッス
○セシル
でもフリオニールは僕を心配して──
○ティーダ
フリオニール関係なし
セシルさえ無事に戻ってくれば問題なし
あいつにはうまく言っておくからばびゅーんと行ってこいって
○セシル
いいのかい?本当に?
○ティーダ
仲間の言うことは聞くもんだろ
○セシル
ありがとう すぐに戻ってくるから 必ず──約束するから
○ティーダ
家族か──
さぁ~て どーやって説明すっかな──
○セシル
ティーダありがとう──フリオニールにも誤らないといけないな
クリスタルの秘密──兄さんは本当に僕にそれを教えようと……?
いずれにしても何かを伝えたいんだ だから会って話を聞くしかない──!
○セシル
ここには誰もいないのかな いい機会だから少し戦っていこう
○セシル
この先に兄さんがいるはずだ
みんなのためにも必ずクリスタルの手がかりをつかまなければ
○メーガス三姉妹
お初にお目にかかる!
私たちはメーガス三姉妹のドグ!同じくマグ!私はラグ!以後お見知りおきを!
○セシル
えっ?ああはいよろしく……
……どこかで会ったような気がする
○ゴルベーザ
来たかセシル
○セシル
どうして僕にクリスタルの秘密を?
○ゴルベーザ
そういうお前はなぜここに来た?
きっと同じだ 弟を思わぬ兄はいない
セシル 私はおまえにクリスタルを手にする資格があるのか
見極めに来たのだ
○セシル
資格だって?
○ゴルベーザ
そうだ私は──
○エクスデス
闇に迷った輩が2匹 麗しい兄弟愛とやらか?
まさか相手方に通じていたとはなゴルベーザ
光に未練を残す軟弱者め
○ゴルベーザ
おまえには関係あるまい
○エクスデス
いいや大いにある
裏切り者を断罪するのはこの私なのだからな
○セシル
兄さんには指一本ふれさせない
○ゴルベーザ
セシル──
○セシル
僕に資格があるかはわからない でも──
見ていてほしいんだ 僕の力を
○エクスデス
裏切り者をかばうのか?
何も知らず兄弟そろって愚かな──
その甘さもろとも無に沈め
○エクスデス
騙されているとは思わんのか
○セシル
兄さんが裁かれる理由はない!
○セシル
兄さんはおまえたちとは違う
何も変わらぬさ 光も闇も根は同じ
秩序と混沌もまた──
○ゴルベーザ
なぜクリスタルは現れぬ?
○セシル
どうかした?
○ゴルベーザ
おまえは私の力を借りずひとりでエクスデスに挑んだ
何事もひとりで成し遂げられる力──
強い意志を持つ者にこそクリスタルは輝く
それがクリスタルの秘密なのだ
今のおまえなら手に入れてもいいはずだが
○セシル
僕は兄さんのために戦っただけだ
ねえ 一緒に行かないかい?
○ゴルベーザ
なんだと?
○セシル
今の話仲間に伝えたいんだ みんなもクリスタルを求めているから
クリスタルがそろえば戦いは終わる
そうすれば兄さんとも──
○ゴルベーザ
もうよい
私はおまえの影
闇に染まりきれず光にも属せぬ存在
○セシル
え──?
○ゴルベーザ
失望したぞセシル
おまえには未来永劫クリスタルは輝かぬ
○セシル
兄さん──?
どうして
○ゴルベーザ
敵として憎んでいた相手を今度は兄として強く慕う
ただでさえあいまいな記憶に浄化を受けたのだから無理もないが……
……
○ジェクト
──ったくそのなりで落ちこんでんのか? 人を導くってのはそんな簡単なことじゃねえだろ
○ゴルベーザ
ジェクト……聞いていたのか
○ジェクト
何を覚えてようが忘れてようが敵になっちまったんだ戦わなきゃ終わらねぇ
○ゴルベーザ
そなたはそれでいいのか?
○ジェクト
自分の気持ちなんか捨てたってかまわねぇさ 捨てなきゃ救えねぇんならな
この世界から出してやりゃあそのあとは自分でなんとかするだろ
○ゴルベーザ
……確かにそなたの言うとおりかもしれないな
○セシル
ひとりで成し遂げられる力──僕にはそれが足りない……?
誰かのために何かをしようとすることが間違いだって……いうことなのか?
クリスタルは僕にいったい何を求めているんだ──
○セシル
みんなのところへ戻らなきゃ でも──
兄さん 来てくれたんだ
○ゴルベーザ
道を正すためにな
○セシル
え──?
○ゴルベーザ
仲間に甘えすがりつく者が強い意志を持てると思っているのか?
他人を頼る者に真の輝きなど訪れはしない
誰もが己のつとめをひとりで成し遂げねばならんのだ
○セシル
でも困っている仲間を放ってはおけない
僕はみんなとクリスタルを探したいだけだ
○ゴルベーザ
そうか ならば
○セシル
何を──?
○ゴルベーザ
わかっただろう 他者との絆など夢幻にすぎぬ
壊れやすく信じる価値もないということがな
○セシル
兄さん
○セシル
失望した……か
今の僕にはその言葉が何を意味するのかさえつかめない
戦い続けていれば答えが──出るものなのか?
○コスモス
迷いが消えない?
○セシル
コスモス
何もわからなくなってしまったんだ
僕はクリスタルはみんなで手に入れるものだと思っていた
みんなで力を合わせて勝ち取るものだと
でも兄さん──
ゴルベーザは他人に頼ってはいけないと
僕がやろうとしていることは甘かったのかな
夢幻をつかむようなことだったのかな
○コスモス
私に答えを求めているの?
○セシル
え──
○コスモス
誰かを頼るだけの者にクリスタルは輝かない
お兄さんの言っていることは真実よ
○セシル
そんな──
○コスモス
悲しい顔をしないで
大丈夫 あんたは確実にクリスタルに近づいている
気づいてるはずよ
誰かの力に頼ること 誰かと力を合わせること
それはあなたにとって同じこと?
あなたならきっと輝きにたどりつける その資格がある
○セシル
コスモスそれって──
○コスモス
答えはあなたの中にある
○セシル
僕は──
行かなければ
○セシル
もう一度兄さんに会おう 僕の答えを示さなければ!
○セシル
わかったんだ たとえ誰と戦うことになろうと僕は──
行こう 兄さんの元へ!
○ゴルベーザ
身をつつむ気配が変わった 覚悟を決めたようだな
○セシル
ああ 僕は仲間とともに行く
○ゴルベーザ
なんだと?
○セシル
兄さん 僕は誰かの力をあてにして仲間と旅してるわけじゃない
もちろんみんなの存在は僕の力になる 励ましてくれたり心配してくれたり──
だからこそ今度は僕がみんなの力になりたいんだ
みんなとともにいるからこそ生まれる力もある
僕はそう信じてる だから
○ゴルベーザ
どうやらおまえとは相容れぬようだ
○セシル
兄さん──
○ゴルベーザ
おまえは騎士だ その想い貫きたくば
剣で証明してみせよ 我が弟よ
○セシル
仲間がいるから戦えるんだ
闇も光も僕を導く力になる だから
○セシル
暗黒の力を
聖なる祈りに
ここに示す
○ゴルベーザ
甘いなセシル
裏切られ絶望を知ってなお他者がおまえの力になるのか?
○セシル
揺るぎない想い この剣に誓う
○ゴルベーザ
覚悟はできているな!
○セシル
もう迷わないよ
○ゴルベーザ
これがお前の信じる力か
○セシル
クリスタル!
僕と兄さん二人で見つけた輝き──
○ゴルベーザ
戯言はよせ おまえ自身が見つけたものだ
○セシル
けど──
○ゴルベーザ
これは兆しにすぎん──その輝きおまえはどこまで貫けるのだろうな?
○セシル
兄さん
どんな試練があろうとみんなと力をあわせ立ち向かってみせる
"そしていつか兄さんとも一緒に──"
"絆は僕を導く輝きだから"
僕は信じ続ける
○皇帝
……なるほど 奴を泳がせたかいがあったな
○エクスデス
ああついに見つけた あやつの内から秩序の光は消えていない……
○皇帝
闇の体と光の心か 面白い……
早めに手を打とう 神竜が動き出す前に片をつけねばな