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○オニオンナイト
何か心配事?
○ティナ
風がやんだの
敵の動きもみんなの気配も
感じとれなくなった
こんなこと初めてで
でも大丈夫だから私のことは──
○オニオンナイト
守るから
○ティナ
え?
○オニオンナイト
ティナのことは僕が守る 約束するから
どうかした?
○ティナ
ううん
いつのまにそんなに騎士らしくなったの?
ちょっと前まではもっと生意気だったのに
○オニオンナイト
やっぱり覚えてない?
○ティナ
え?
○オニオンナイト
いや ならいいんだ
ほら先を急ごう
○ティナ
"なぜだろう 目覚めて以来"
"大事なことを忘れてしまっている気がする"
"けどそれが何なのか"
"どうしても思い出せない"
"なぜ眠っていたのかすらも"
○オニオンナイト
ティナ 置いていくよ
○ティナ
あ──うん
"でもいつか取り戻せるはず"
"そうすればきっとクリスタルへの道だって──"
○ティナ
眠ってた間のこと──あなたも何かを思い出したら教えて?
○オニオンナイト
……うんわかったよ 僕も手伝うから一緒に進もう
○オニオンナイト
戦う感覚つかめてきた? それなら先へ進もう
○ティナ
さっきはありがとう
○オニオンナイト
え?
○ティナ
私のこと励ましてくれたでしょ
本当はね 少し怖かったの
みんながんばっているのに私だけ何もできていないから
まっすぐ進めない自分がもどかしくて
クリスタルを手に入れたら私も変わるのかな
○オニオンナイト
そうじゃない
変わったから手に入ったんだ
ある人が教えてくれたんだ
『クリスタルは決意の先に輝く』って
だからティナも自分のいちばん強い気持ちに従えばいいんだよ
○ティナ
いちばん強い気持ち?
まだわからないかも
○オニオンナイト
ティナ──
○ティナ
でもやってみる
あなたみたいに私も
望みを捨てないで進み続けていればきっと
○オニオンナイト
ティナなら絶対見つけられるよ
僕の予想はよく当たるんだ
○ティナ
頼りにしてる
○オニオンナイト
こおあたりははじめて来る場所だよね しっかり探索しながら進んでいこう
焦らなくても大丈夫 落ち着いて前へ進もう
○ティナ
うんわかった それじゃ……行こう
○オニオンナイト
ティナ足もとに気をつけて 雪が凍って滑るかもしれないよ
○ティナ
……
○オニオンナイト
──ティナ? どうしたの? 具合でも悪い?
○ティナ
あ ごめんなさい ……なんでもないの
雪を見てたらね なんだか懐かしい気持ちになっただけ
○オニオンナイト
どうしたの?ティナ 僕の顔に何かついてる?
○ティナ
……ううん りりしくなったなって思ったの
○オニオンナイト
な 何言ってるんだよ! ほら早く行こう!
○オニオンナイト
戦う前には敵の装備を確認するんだよ どんな相手かわかれば落ち着いて戦える
○ケフカ
いいものを見せてもらいました
さすがは僕のお友達 見事な壊しっぷり
○ティナ
ケフカ何をたくらんでいるの?
○ケフカ
力を確かめに来たんだ
やっぱりおまえはカオスに仕えた方が心地いいんじゃない?
○ティナ
どういう意味?
○ケフカ
おやおや何も覚えていない
なら教えてあげましょう おまえはその力で大事な仲間を──
○オニオンナイト
やめろ!
○ケフカ
あれれ?傷つけられた本人が何言ってんの?
美しき友情なんて──やめて
ウザったらしくて反吐が出る
○ティナ
それはどういうこと? まさか──
○ケフカ
ピンポーン その ま さ か
おまえはそこにいる仲間をギタギタに痛めつけたんだ
あんなに楽しそうだったのに忘れるなよ
まったく危険な存在ですねえ
戦えば戦うほど自分で力を抑えきれなくなる
力が心を超えて暴走する破壊の化身めが
○ティナ
嘘っ──
○ケフカ
嘘っ──じゃないよ ほーら敵はここにもいる
どうした? 破壊の力もっと見せちゃいなよ
敵も味方も世界もぼくちんと一緒にゼーンブ壊そう ぶっ壊そう
○ティナ
私──
○ケフカ
何を?
○オニオンナイト
僕が相手をしてやる
ティナは逃げて
○ティナ
でも──!
○ケフカ
黙っていればこんの──!
○ティナ
そんなどこに行ったの?
探しに行かなきゃ でも──
○ケフカ
ちくしょう……ちくしょう……
ちくしょう ちくしょう ちくしょう ちくしょう ちくしょう ちくしょう
ちく ちく ちく ちく ちく ちく ちく ちく ちく ちく
ちっっっっくしょーーーー!!
せっかくうまくいきそうだったのに! いつもいつもいっっつも邪魔しやがって!!
○オニオンナイト
……おまえこそ何が目的だ! なぜティナにまとわりつく?
○ケフカ
はぁ? 正義の味方のつもりですか~? ったく前回も今回もおんなじような奴ばっかり
○オニオンナイト
……前回?
○ティナ
あの子私が何をしたか知っててそれでも励ましてくれてたんだ……
立ち止まったらだめ あの子みたいに私も進まなきゃ
○ティナ
まだ力の加減がつかめない……ここで練習したら慣れてくるかな
○ティナ
あの子とケフカは──ここにもいないのね
ひとりでも戦わなきゃ あの子を助けに行くんだから
でも……なんだか胸がざわつく……
○ティナ
なんとか倒せた──けど
○ケフカ(回想)
"あんなに楽しそうだったのに"
"力が心を超えて暴走する破壊の化身めが"
○ティナ
私は破壊を望んでなんか──
これは!?
"体が熱い!"
"力が抑えきれない?このままじゃ──"
あなたは──
ダメ すぐ逃げて!
どうして? やめて!
○クラウド
行くぞ ティナ
○ティナ
傷つけたくないのに…!
○クラウド
大丈夫か?
○ティナ
どうして逃げなかったの?
○クラウド
苦しそうなあんたを放っては行けない
かといって他に方法も見つからなかった
○ティナ
もしかして──
私の力を落ち着かせるために戦ってくれたの?
○クラウド
悪かったな 先に言うべきだった
だがまさかここまでとはな
素直に逃げるべきだったかもな
○ティナ
ありがとう
○クラウド
礼を言われる資格はない あんたを救える確証はなかった
本当はどうすればいいのか迷っていた
○ティナ
でも助けられたのは本当のことだから
その気持ちだけは伝えたかったの
○クラウド
迷いがあってもできることはあるか
○ティナ
どうかした?
○クラウド
いやここに来る前のことを思い出しただけだ──
それよりあいつはどうした?
もうひとりと一緒じゃなかったのか?
○ティナ
それが──
○クラウド
事情はわかった 手伝おう
○ティナ
いいの?
○クラウド
気づかせてくれた礼だ
迷う俺でも誰かを救えるとな
○クラウド
ここから少し北に行ったところに道を塞いでいないひずみがある
敵が身を隠すにはちょうどいい場所かもな
○ティナ
ケフカもあの子もそこにいるかもしれない クラウド行ってみよう
○クラウド
……どうした
○ティナ
クラウドは私に会うまでずっとひとりでいたの?
○クラウド
いやフリオニールたちと一緒だった
目的を果たすために一度別れたがたぶんあいつらもこっちに向かっている
○ティナ
よかった みんな一緒なら安心だね 私たちも早くあの子を探そう
○ティナ
ここの敵なら……倒しても誰も傷つかないよね
○クラウド
あんたの不安な気持ちはわかる 俺だって同じだったからな──
○クラウド
しかし……わからないな なぜあんたがケフカに狙われた?
○ティナ
さっきみたいに暴走する力を──破壊の力を持っているから
『破壊の化身』としての私を求めているんだと思う…
○クラウド
考えすぎても仕方ないことだってある……そんなことを言えた立場じゃないけどな
○クラウド
どうした?
○ティナ
力が怖いの
助けに行きたいのにまた力が抑えられなくなったらって思うと
○クラウド
誰にでも迷いはある
がむしゃらに進める奴なんてごく一部だ
○ティナ
それは?
○クラウド
フリオニールの「夢」だ
○ティナ
夢?
○クラウド
『のばらの咲く世界』
それがあいつの願いらしい
あいつは──
『夢があるからあきらめずに戦える』と言った
あの潔さはたまにうらやましくもなる
○ティナ
まっすぐですてきだね
クラウドにはどんな夢があるの?
○クラウド
俺はなくしたんだ
○ティナ
え?
○クラウド
そういうあんたはどうなんだ?
○ティナ
私もわからない
本当の意味での未来って考えたことなかった
先のことなんてずっと怖いだけのものだったから
けど今は──
ねえ同じ夢を見るのはどうかな
○クラウド
同じ?
のばらの咲く世界か?
○ティナ
うん でもそこにはのばらだけじゃない
きっといろんな花が咲いているんだと思う
私の好きな花もあの子の好きな花も
夢の話を聞いて私初めて思ったの
恐れるだけじゃない未来を──
そんな世界をみんなと一緒に見てみたいって
この想いがあればきっと
迷うことはあっても心は揺るがないはず
あなたの好きな花だってきっとそこに──
○クラウド
そう簡単に叶う夢じゃない
だが悪くないな
そのためにもまず──
○ティナ
探しに行こう
○ゴルベーザ
……悩んでいるようだな
○オニオンナイト
ゴルベーザ……!
○ゴルベーザ
記憶なき時間の存在を不安に思うか しかし……おまえは少女を守ると誓ったのだろう?
手にしたクリスタルは間違いなくおまえのもの……記憶などなくとも意思の強さは変わらぬ
○オニオンナイト
僕は……
○ティナ
むこうのひずみから強い気配を感じる きっとケフカだわ
○クラウド
さっきのひずみでも暴れてきたからな 俺たちが近くにいることに気付いてるだろう
準備を怠るなティナ あいつを助けてやるんだろ?
○クラウド
外をうろついているイミテーションたちは自分たちのなわばりを持ってる
無駄な戦いを避けたいなら奴らの動きを冷静に見極めるんだ
○ティナ
冷静に……? なんだか難しそう 私でもできるかな
○クラウド
──簡単だ 少し離れて相手をじっと見ていればいい
○ティナ
うんありがとうクラウド できるだけやってみるね
○ティナ
感じる……ここにいる この気配は間違いなくケフカ──
○クラウド
……大丈夫か?
○ティナ
うん もう怖くないから
それに私を守ってくれたあの子を今度は私が助けたいから
クラウド
あんたの思うように進めばいい 危なくなったらちゃんと助ける
○ケフカ
迎えに来たよ
おやおや今度は別の獲物も一緒かい?
○ティナ
ケフカ 彼をどこにやったの?
○ケフカ
あんなクズなど放っとけ
それよりどう? 僕と一緒に破壊を楽しむ決心はついた?
○ティナ
私はあなたとは違う
○ケフカ
無理無理
偉そうなこと言ってもどうせ力に溺れ
誰かを傷つけるに決まってる
○ティナ
見つけたの 守りたい未来を
どんな力にのみこまれようと
私はもう何も見失わない
○ケフカ
フーン だったら──
○暗闇の雲
すべてを破壊するまで
○ティナ
クラウド!
○暗闇の雲
さあどうする?
二人ともわしらの力に溺れるか? それとも──
○オニオンナイト
乗り越えてやるさ三人で!
○ティナ
無事だったのね
○オニオンナイト
守るって言ったでしょ
さあこのしつこい相手は僕たちにまかせて
○ティナ
うん 私は──
○ケフカ
力に溺れて心が壊れちゃえば
もっといいオモチャになれたのに
○ティナ
なんて人
○ケフカ
けどもういいよ
誰も壊せない臆病者は僕に楽しく壊されちゃいな
○ケフカ
あ~そびましょ~
踊れ!踊れ!
狂宴の始まり~
おしまい? ツマンナーイ
○ティナ
このままじゃみんなの希望が──
○ケフカ
そんなもんカスだ
ぼくちんがゼーンブブッ壊してあげるよ
○ティナ
あなただけは許さない
○ケフカ
良いお人形だったのにさ!
○ティナ
破壊なんてさせない!
○ケフカ
おぼえてろよ
○オニオンナイト
ティナ!
○クラウド
無事か
○ティナ
みんな よかった
これは──
私の……力?
○オニオンナイト
言ったでしょ
ティナなら絶対見つけられるって
○ティナ
ありがとう
○クラウド
だが休んでる暇はない
他の連中は旅を続けているはずだ
○ティナ
うん 戦いはこれから
みんな行こう
○ティナ
"夢なんてほんのささいなことでもいい"
"それだけで人は強くなれる"
"その強さはまた必ず──"
"新しい夢へとつながっていくから"