レポート16

World:B Place:腐りゆく大地の裂け目

■記録 006
記憶の定着実験に成功
身体が結晶化しないことを確認
完全に記憶を移植できなかったためかその目は意思を感じない虚ろなもののままだ
被召喚者たちと同様に戦いに参加させ経過を観察することにする

■記録 007
記憶を定着させたイミテーションがコスモスの力を得る
その後は浄化によって記憶を失っても意志が消失しないことを確認
失敗作はかつての廃棄場付近に投棄
被召喚者に影響を受け姿かたちを変えはじめている……

■記録 008
浄化を受けていない被召喚者が本来維持できる寿命を超える
神々に限らずすべての生命が不老状態にあることを確認
この世界は時空がねじれているものと推測される

守るべきもの-1-　イミテーション3連戦後

○ティナ
さっきはありがとう　私後ろにいた敵に気付かなくて
あなたが助けてくれなかったら──

○ウォーリアオブライト
君を助けたのは私ではない　私は彼に少し力を貸しただけだ

○ティナ
あの子……に？

○ウォーリアオブライト
ああ　礼ならば彼に言うといい

○ティナ
ねえちょっと待って　ありがとう　あの子を守ってくれて

○ウォーリアオブライト
それは彼に──

○ティナ
助けてくれた人にはお礼を言わなくちゃ　あなたも今そう言ったじゃない

○ウォーリアオブライト
……

○ティナ
そしてね『ありがとう』には『どういたしまして』を返すのよ
私とあの子を守ってくれてありがとう

○ウォーリアオブライト
どう……いたしまして

守るべきもの-2-　冒頭

○セシル
ねえきみはどうしえティナを守ろうとしたの

○オニオンナイト
えっ？どうしてって──
最初に会った時からすごく不安そうで　だから守ってあげなきゃって

○セシル
彼女に惹かれたのかな

○オニオンナイト
そ　そんな理由じゃない　もっとちゃんとした正しい理由っていうか
だってそうじゃなきゃクリスタルが手に入るわけないじゃないか！

○ウォーリアオブライト
ならばそのクリスタルに恥じぬ行動を取るべきではないのか？

○オニオンナイト
えっ？　行動って？

○ウォーリアオブライト
このあたりはイミテーションが多い　君は彼女のそばにいてやるべきだろう

○オニオンナイト
あ──

○ウォーリアオブライト
守るものがあってこその騎士だ　一度決めたのであれば最後まで守り通せ

○オニオンナイト
は　はいっ

○セシル
『守るもの』……か

イミテーション連戦後

○ウォーリアオブライト
この辺りは安全なようだな　少し休息を取ろう

○オニオンナイト
ねえセシル　あの人はどうして平気でいられるんだろう
コスモスがいなくなって
クリスタルがコスモスの力だってわかって僕はすごく悔しかった

○セシル
うん　僕も同じだ

○オニオンナイト
いつもあの人から聞いてた気がする
戦いを終わらせるために
コスモスの願いを叶えるために僕たちは前に進まなきゃならないって
セシルだってそう聞いたよね？　なのに──
彼女が消えちゃったのにどうして平気でいられるんだろう
悔しくも悲しくもないのかな

○セシル
そんなはずはないよ
きっと彼も悔しいし悲しい
でも彼は気を緩めることができないんだ
守らなきゃならないものがあるから

○オニオンナイト
守らなきゃってだってもコスモスは──

○セシル
クリスタルはコスモスがみんなに託した力だ──
だからみんなを守ることはコスモスの願いを守ることになる

○オニオンナイト
あっ

○セシル
守るものがあってこそ騎士だからね

○オニオンナイト
セシル
僕絶対にティナを守るよ　それと自分のこともみんなのことも

○セシル
うん　きっとできるよ